現在、六甲山系は大部分が二次林群落であるが、一部にはシイ、カシ、ブナなどの自然群落が見られ、
また二次林でも、アカマツ、コナラなどさまざまな群落が見られる。 これらを分類すると六甲山系では
イヌブナ−ブナ群落、ウラジロガシ群落、コジイ群落、シイ−カナメモチ群落、アラカシ−カゴノキ群落、
アラカシ−ヒメユズリハ群落、ウバメガシ群落、アカマツ群落、コナラ群落が認められる。

※出典: 『神戸の植生』  中西 哲、服部 保、武田 義明 共著  神戸市発行(1982年)   
群落名 主要構成樹種 六甲山系での分布
イヌブナ−ブナ群落 (高木層、亜高木層)
 ブナ、イヌブナ、ウラジロノキ、
 コナラ、ハウチワカエデ、シデ類、シラキ
 、リョウブ、
(低木層、草本層)
 タンナサワフタギ、チゴユリ、ミヤコザサ 
標高600m以上

六甲山頂付近
(紅葉谷など)
ウラジロガシ群落 (高木層、亜高木層)
 ウラジロガシ、アカガシ、アラカシ、
 ヤブツバキ、ヤブニッケイ
(低木層、草本層)
 サカキ、ネズミモチ、ヒサカキ、ヒイラギ
 、ヤブコウジ、テイカカズラ、ベニシダ
南斜面 標高450m以上
北斜面 標高350m以上

摩耶山天上寺跡
再度山大龍寺
シイ−カナメモチ群落 (高木層、亜高木層)
 スダジイ、コジイ、アラカシ、ウラジロガシ
 、シラカシ、ツクバネガシ、イスノキ
 、アラカシ、ヤマモモ
(低木層、草本層)
 アオキ、ヤブツバキ、ヒサカキ、カナメモチ
 、ヤブコウジ、ナガバジャノヒゲ、ベニシダ
標高450m以下

再度山大龍寺
北斜面山麓の社寺林
アラカシ−カゴノキ群落 (高木層、亜高木層)
 クスノキ、アラカシ、ヤマモモ、ヤマハゼ、
 アベマキ、アカシデ、クロマツ、モミ、スギ
 、クロガネモチ、ナナミノキ、ノグルミ
(低木層、草本層)
 ムラサキシキブ、イヌビワ、カゴノキ、
 ヒイラギ、ヤツデ、ヒサカキ、シロダモ、
 オオイタチシダ、ベニシダ、ヤブコウジ、
 ナガバジャノヒゲ、ツタ、チジミザサ
標高200m以下

再度山宮谷
布引滝周辺
アラカシ−ヒメユズリハ群落 (高木層、亜高木層)
 アラガシ、ヒメユズリハ、カクレミノ、
 ヤマモモ、ナナミノキ、ヤマハゼ、
 アベマキ、ヤブニッケイ、モチノキ
(低木層、草本層)
 ネズミモチ、シャシャンボ、シロダモ、
 ヒサカキ、カナメモチ、クロバイ、
 ベニシダ、サネカズラ、ジャノヒゲ、
 ネザサ、テイカカズラ、ツタ
六甲山系南側の社寺林
ウバメガシ群落 (高木層、亜高木層)
 ウバメガシ、アラカシ、カナメモチ、ヤマモモ
 、ヒメユズリハ、マルバアオバモ
(低木層、草本層)
 モチツツジ、コバノミツバツツジ、ネジキ、
 ウンゼンツツジ、カクレミノ、トベラ、コシダ
 、ヒトツバ
鉢伏山
六甲山系南側の社寺林
アカマツ−モチツツジ群落
(二次林)
(高木層、亜高木層)
 アカマツ、クロマツ、コナラ、ソヨゴ、
 アベマキ、リョウブ
(低木層、草本層)
 モチツツジ、コバノミツバツツジ、ネジキ、
 ウンゼンツツジ、シャシャンボ、ヒサカキ、
 コシダ、ネザサ、コウヤボウキ、シュンラン 
南斜面 標高300m〜
      標高350m
北斜面 標高200m〜
      標高250m
コナラ群落(二次林) (高木層、亜高木層)
 コナラ、アベマキ、クヌギ、アラカシ、
 ネズミモチ、タカノツメ
(低木層、草本層)
 モチツツジ、コバノミツバツツジ、ネジキ、
 ヒサカキ、アセビ、コウヤボウキ、ノガリヤリ
 、シュンラン、チゴユリ、サルトリイバラ
六甲山系ほぼ全域
西六甲や東灘区のの中・
古生層地帯
スギ−ヒノキ群落 (高木層、亜高木層)
 スギ、ヒノキ
(低木層、草本層)
 アラカシ、ヒイラギ、シロダモ、ヒサカキ、
 コバノガマズミ、ヤブコウジ、テイカカズラ
 、ナガバジャノヒゲ、ネザサ
六甲山系の花崗岩層、
有馬群層
六甲山系の森林の種類